私はイーロン・マスクが好きだ。テスラはまだ持っていないが、サイバートラックは欲しい。乗りたい、と思う! テスラ株も持っている。個別株は10銘柄ぐらいしかもっていないが、一番、お金を投資したのはテスラ株だ。

で、これまで株価が下がろうと上がろうとあまり気にならず、下がっても売ろうとも思わなかったのだが、今回、初めて「少し心配になった」。

そんな折、まりーさんのXの投稿を読んだので、シェアしますね!

テスラが暴落してる。年初からなんと26%の下げ。NVDAは23%の上げ。コロナ以降のスーパーヒーロー2銘柄の明暗がここではっきりと分かれてしまった。私は2022年にテスラもNVDAも両方売ってしまって、NVDAは2023年に買い戻した。テスラはその後買ってない。今日は私的にテスラは売りか買いかの考察。
あらかじめ断っておくと私はイーロンの大ファンだし、23年の3月からテスラ車(モデル3)に乗ってる。
そしてこれから先テスラ以外の車を買う気が全くない。それくらい全てにおいてテスラ車が気に入ってる。だから私の意見はバイアスがかかってる可能性がある。
ちなみに私の夫は典型的アメリカ人で元々はフォードのトラックとかJeepのSUVとかに乗りたがる人なんだけど、私がテスラをリースして以来、チャンスがあれば私のテスラを借りて乗ってる。

本当にテスラ車は一度乗るとクセになる。

あと最近、EV車が売れ残ってるとかハイブリッド車のほうが人気、とかニュースになってるけど、EV車は確実にアメリカでマーケットシェアを伸ばしてる。 データによるとアメリカのEV車売り上げは4Q23に前年同期に比べ29%伸びた。他の自動車の売り上げはそんなに伸びてない。 そしてアメリカのEVシェアは4Q23に8.1%まで伸びた。前年同期は6.5%だった。 私は長期ではアメリカでのEVシェアは100%にはならないけど、半数は超えると思う。これはEVの方が環境にいいからとかの理由ではなくて、ただ単に、EVの方が便利だから。それにテスラ車は乗ってて楽しい。
だからテスラは今のEVマーケットシェアの56%は維持できないとしても、圧倒的なリーダーであり続けると思う。

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でもじゃあテスラ株を買うか、というと今のところ、答えはNo.
その理由を一つ一つ説明していこう。

① 製造台数の成長率が完全に鈍った イーロンは2022年にテスラは製造台数を永遠に毎年50%伸ばし続けると豪語した。 この私がエクセルで作ったテスラモデルの一部を見るとわかるように、実際、2Q23まではそれに近い数字を維持して来た。

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でも成長率は3Q23から急激に落ち、今回の決算では前年同期13%増だった。 しかも決算コールでは2024年の成長率は2023年に比べてSignificantly less (著しく減少)とイーロンは言った。 テスラは普通なんらかのガイダンス(業績予想)を決算時に公表するけど、今回はガイダンスが全くなかった。テスラのアナリスト達は完全に暗闇の中、手探りで成長率を推測するしかない。 私が怖いのは今年はアナリスト達がテスラの業績予想を何回も下方修正する年になるかもしれないということ。となると株はなかなか上がらない。 これはおそらくイーロン自身、今後どうなるか読めない状態なんだと私は思う。 特にもし今25%ある中国からの輸入車関税が引き下げられたりしたら、おそらくBYDのEVがアメリカ市場にも入ってくる(今は全くない)。イーロンは決算コールでも中国車に対してかなりの危機感を表していた。 そして今年はサイバートラックが発売される年だけど、サイバートラックはニッチな車なのでテスラ社の業績を動かすほどは売れないと私は思う。 やはり期待すべきは2025年に発売が期待される$25,000以下になると言われてるコンパクト車、いわゆるモデル2だろう。モデルの名前は何になるのかまだ決まっていないらしい(私的にはコンパクト車なのでモデルCがいいと思うけど)。 モデル2のデモ車が作られ、名前も決まり、発売予定がもっと具体的になってきたらテスラの株はまた上がり出すかもしれない。でもおそらくそれは早くても今年後半だろう。 つまり2024年はすでに販売中の車は新しさを失い、業績の針を動かすことのできる新しいモデルが出てこない、言うなればお休みの年のようなもので、下手すると車の売り上げはマイナス成長しかねないと4Q23の決算を見て私はちょっと心配してる。 ちなみにテスラのマスタープランによると、将来的にはこのモデル2がテスラが販売する車の約半数を占めることになるらしい。

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② ロボタクシーは近い将来は難しいと思う まだ存在しないモデル2が販売台数の半分になるためには自動運転による、ドライバーレスのロボタクシーの普及が必須になる。 でもこれはどんなにテスラのフルセルフドライブ(FSD)が優秀だとしてもテスラだけではどうにもならない。テスラのコントロール下にない。だって認可が降りなければFSDは使えない。 特にイーロンは民主党を敵に回してしまったので、民主党が実権を握っている間は圧倒的に不利だ。 認可が降りるどころか最近ベータバージョンのセルフドライブに規制がかかり、すっかり使いにくくなってしまったくらいだ。 確かイーロンは5年以内くらいにドライバーレスロボタクシーが実現すると言っていたように思うけど(定かではない)、私にはそんなにすぐに実現するとは思えない。

サンフランシスコやPhoenixではWaymoとCruiseの車がドライバーレスのロボタクシーを走らせていたけれど、Cruiseは去年10月に人身事故を起こしてしまい、今は使用禁止になってる。 ロボタクシーの実現が遠退けばそれだけ販売台数の成長も先延ばしになる。イーロンやARKのキャシーが想定しているロボタクシー実現スケジュールは楽観的すぎると思う。

株価に織り込まれていると思われる将来の成長の鍵であるロボタクシーの実現が全くコントロールの効かない政府にかかってるというのは、私的にはかなりネガティブなポイント。 ③ ソーラーエネルギーの売り上げの伸びが弱い テスラルーフ(太陽光発電の屋根)やテスラウォール(家庭用の蓄電池)はめちゃくちゃかっこいいし、全ての家にこれが装備され、将来的にはテスラは公共電気会社的な役割を果たすというアイデアはすごく魅力的で夢があるけど、どうも売り上げが伸びない。 時々対談させていただいてる中島聡さんはハワイのご自宅にテスラルーフとテスラウォールを設置されたけど、電気代の節約で元を取るまで確か15年だか20年だかかかると言っていた。 私はかなりの富裕層が住む町に住んでるけど、テスラルーフを設置してる家を一つも見ない。

まあ、アリゾナとかテキサスとかフロリダとかいつも暑いところの方が需要はありそうだけど、それでも真っ先に飛びつきそうな人たちばかりの町なのに不思議だ。 やはり、環境にいいというだけでほぼ元が取れない事をあえてしようという人は少ないのだろう。 何か画期的な発明が起きて設置コストが劇的に下がらない限りあまり流行らない、ということが実証されてしまった気がする。 ④ 株が高い テスラ株は高い。安かったことがない。バリュエーションを見てたらテスラ株は買えない。 高いから買わないとは言わないけど(実際過去に持ってたし)、長期保有には向かないかなと思う。 これは私の3月1日に発売になる初著書を買うと特典でダウンロードできる私お手製のエクセルの長期モデル。

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これによると、この成長率で、10年後のフリーキャッシュフローバリュエーションが88倍で計算しても年平均の期待できるリターンは9%。 まあ悪くないと思うかもしれないけど、テスラのベータは2.3。そのリスクに見合うリターンは年平均13%くらいであるべき(CAPMによると)。 そのリスクに見合うリターンで現在価値を計算するとすでに$183まで下げた今日でもまだ31%のプレミアムで取引されてる計算になる。 ベータがテスラの半分のAppleでもIRRは7%くらいなので、もしこれだけを元に投資判断をすると(しないけど)Appleを買った方がいいという結論になる。

もちろんデイトレとかをしている人にはベータが高いことは魅力。それだけ儲けるチャンスが多いから(もちろん損するチャンスも)。 だけど、テスラは長期保有には向かないかなーと私が思ってしまう理由。 じゃあ、どうなったらテスラ株を買うか?いくつか条件をあげてみる。

① 共和党が選挙に勝ちそう イーロンは民主党に嫌われてるのでもしトランプあるいはトランプ以外でも共和党が大統領選挙に勝てばとりあえず4年間はテスラには有利に働くかもしれない。

② モデル2が本当に2025年中に発売になる 実際に発売になる1年前くらいから株は上がりそう。でもまずはプロトタイプと名前と予定発売価格が発表にならないとなんとも言えない。

③ 値段が下がる 前回の底値で$100近くなった時、テスラのPEは24xまで下がった。そこまでとは言わないけど、今のPEは56x。買うならせめて35xくらいまで下がってほしいかなと思う。 モデル2の販売が期待されEPSの成長率が2024の4%から40%まで跳ね上がる予定の2025年のEPS予想$4.54を使っても35xだと株価は$159。

よって今年のどこかで$160くらいまで下がったら真剣に買うことを検討するかもしれない。 それまでは株主ではなく、テスラのハッピーな顧客の一人としてチームイーロンを応援したいと思う。

https://x.com/maryoakleysan/status/1751487108638716137?s=20